結論から言うと、離檀料の交渉を代行すると明記している事業者は、当編集部が調べた119社のうち2社だけでした。残る117社は公式サイトに記載を確認できていません。うち1社は提携先の弁護士事務所を実名で公表しています。また「お寺への連絡・取次」と「離檀料の交渉」は別のことで、前者を代行する事業者は複数ありますが、後者を明記している事業者はほとんどありません。(2026年8月調査・出典は各社の公式サイト)
「お寺への連絡」と「離檀料の交渉」は別物です
事業者が言う「お寺とのやり取り」は、多くの場合離檀の意向を伝える・日程を調整するといった連絡の取次です。提示された離檀料の金額そのものを話し合う交渉とは性質が違い、公式サイトでもこの2つは書き分けられています。
墓じまいでお寺と関わる場面は、大きく2つに分かれます。事業者のサイトを読むときは、どちらの話をしているのかを区別してください。
| 連絡・取次 | 金額の交渉 | |
|---|---|---|
| 内容 | 離檀の意向を伝える、日程を調整する、閉眼供養を手配する | 提示された離檀料の金額そのものを話し合って動かす |
| 性質 | 事務的な取次 | 相手方との利害の調整 |
| 明記している事業者 | 複数あり | 2社のみ |
「お寺とのやり取りもお任せください」と書かれていても、それが金額の交渉まで含むとは限りません。見積もりの段階で「離檀料の金額について、お寺と話し合っていただけますか」と具体的に聞くのが確実です。
119社を調べた結果
当編集部が調べた119社のうち、離檀料の交渉代行を公式サイトに明記していたのは2社だけでした。残る117社は記載を確認できませんでしたが、これは対応していないという意味ではありません。
| 離檀交渉の記載 | 社数 |
|---|---|
| 代行を明記している | 2 |
| 公式サイトで記載を確認できなかった | 117 |
1社目はわたしたちの墓じまいです。サービス一覧に「離檀代行」を掲げ、実績として過去800件と記載しています。当編集部が確認した中で、実績件数まで公表している唯一の事業者でした。
2社目はお墓の引越し&墓じまいくん(株式会社鎌倉新書)です。こちらは書き方が違い、「離檀交渉に関して実績のある春田法律事務所と提携しております」と、提携先の弁護士事務所を実名で公表しています。当編集部が確認した119社のうち、離檀交渉について弁護士事務所との提携を明示しているのはこの1社だけでした。
この2社は、同じ「離檀交渉に対応する」でも書いていることが違います。前者は自社の実績件数を示し、後者は誰がその立場で交渉するのかを示しています。当サイトはどちらが優れているかを判定しませんが、次の段落で書くとおり、依頼するときに確認したいのは後者の情報です。
117社について、記載を確認できなかったことは「対応していない」という意味ではありません。公式サイトに書かれていなかった、という記録です。実際の対応範囲は各社に直接ご確認ください。
この119社それぞれが公式サイトに何を書いているかは、掲載事業者一覧で1社ずつ確認できます。
出回っている「相場」の出どころ
よく見る「離檀料の相場は3万〜20万円」という金額は、その事業者が受け取る料金ではなく、参考情報として書かれているものでした。料金表の数字と混同しないでください。
離檀料の相場としてよく見る金額について、掲載事業者の公式サイトを確認すると、自社の料金ではなく「参考情報」として書かれているものがありました。
- 佐藤新作石材は「離檀料相場は30,000円〜200,000円程度」と記載していますが、これは同社の料金の内訳ではなく、参考として示された数字です
- e-墓じまいは過去の費用実例6件を公開しており、そのうち1件に「離檀代行・改葬手続き代行対応」との注記があります
つまり、「相場」として引用されている数字の多くは、実際に支払われた金額の集計ではありません。離檀料は寺院との関係や地域の慣習によって幅があり、当サイトは相場として1つの数字を示すことはしません。
「相場」の記述と事業者自身の料金表が別物である点は、費用の記事でも同じ問題として扱っています。
交渉を依頼するときに確認すること
金額の交渉を第三者に依頼する場合は、誰がどの立場で行うのかを先に確認してください。弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を取り扱うことを禁じています。
離檀料の金額交渉を第三者に依頼する場合、誰がどの立場で行うのかを確認しておくことをおすすめします。
弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を取り扱うことを禁じています。離檀料の交渉がこれに当たるかどうかは個別の事情によって変わるため、当サイトは一律の判断をしません。また、特定の事業者について適法・違法の評価も行いません。
読者の側でできる確認は、次のようなことです。
- 「交渉」なのか「お寺への連絡・同席」なのかを、言葉で確認する
- その業務を誰が行うのか(自社の担当者か、提携する弁護士・行政書士か)を確認する
- その業務に別料金が発生するのかを確認する
- 金額がまとまらなかった場合にどうなるかを確認する
改葬許可申請の代行体制については、業者の選び方で整理しています
当サイトが判断しないこと
- 離檀料に法的な支払い義務があるかどうかを、当サイトは判断しません。事案によって異なり、争いのある論点です
- 特定の事業者の対応が適法かどうかを判断しません。記録しているのは、公式サイトに記載があるかどうかだけです
- 相場として1つの金額を示すこともしません
判断が必要な場面では、弁護士等の専門家にご相談ください。
何を確認し、何を判断しないかの基準は掲載の方針に書いています。
よくある質問
離檀料の交渉を代行してくれる業者はありますか?
当編集部が調べた119社のうち、離檀代行を明記していたのは2社でした。わたしたちの墓じまい(実績800件と記載)と、お墓の引越し&墓じまいくん(「離檀交渉に関して実績のある春田法律事務所と提携しております」と明記)です。残る117社は公式サイトで記載を確認できていませんが、これは対応していないという意味ではありません。直接ご確認ください。
「お寺とのやり取りもお任せ」と書いてあれば、金額交渉もしてもらえますか?
限りません。離檀の意向を伝える・日程を調整するといった取次と、提示された金額そのものを話し合うことは別です。見積もりの段階で「離檀料の金額について、お寺と話し合っていただけますか」と具体的に確認することをおすすめします。
離檀料の相場はいくらですか?
当サイトは相場として1つの金額を示していません。よく引用される「3万円〜20万円」という数字は、掲載事業者の1社が自社の料金ではなく参考情報として記載しているもので、実際に支払われた金額を集計したものではありません。離檀料は寺院との関係や地域の慣習によって幅があります。
離檀料は必ず払わないといけないのですか?
当サイトはこの点について判断しません。法的な支払い義務の有無は事案によって異なり、争いのある論点です。判断が必要な場面では弁護士等の専門家にご相談ください。