墓じまいの手順|7段階と、各段階でつまずく点を一次調査でまとめました

墓じまいは7つの段階に分かれます。このうち総額を最も左右するのは「遺骨をどこへ移すか」で、手続きで最もつまずくのは「改葬許可の申請」です。当編集部は47自治体の手続きと119社の公開情報を一次調査しました。その結果を、どの段階で何を確認すべきかという形に並べ直したのがこのページです。(2026年8月時点)

全体の流れ

段階 やること つまずきやすい点
1 親族の同意を得る 後からのトラブルが最も多い段階
2 遺骨の行き先を決める 総額の大半がここで決まる
3 お寺・霊園に意向を伝える 離檀料の話が出るのはここ
4 事業者を選び、見積もりを取る 見積の単位が各社バラバラで比べにくい
5 改葬許可を申請する 必要書類も手数料も自治体ごとに違う
6 閉眼供養・魂抜き、撤去工事 追加費用の条件を確認していないと増える
7 新しい納骨先へ納骨する —

この順番には理由があります。事業者を先に決めてしまうと、納骨先の選択肢がその事業者の取り扱い範囲に狭まります。2(納骨先)を4(事業者選び)より先に置いてください。

段階1 親族の同意を得る

掲載事業者の中には、この段階の重要性を自社サイトで繰り返し案内している社があります。松田石材 石工房は「墓じまいをするにあたって、必ず事前に関係する親族全員と話をして同意を得てください」と明記し、価値観の違いから後々トラブルになりうることまで書いています。

費用や手続きの前に、ここが最初の関門です。

段階2 遺骨の行き先を決める ← 総額の大半がここで決まります

ある事業者が公開している価格表では、永代合祀納骨が50,000円、永代供養墓が900,000円で18倍の開きがあります。同じ会社の、同じページに載っている数字です。撤去工事が同じでも、納骨先の選択だけで85万円変わります。

合祀はあとから遺骨を取り出せません。価格だけで決める前にご確認ください。

→ 納骨先ごとの公開価格をまとめたページ

段階3 お寺・霊園に意向を伝える

「お寺への連絡・取次」と「離檀料の金額交渉」は別のことです。当編集部が調べた119社のうち、離檀料の交渉代行を明記していたのは2社だけでした。うち1社は提携先の弁護士事務所を実名で公表しています。「お寺とのやり取りもお任せ」と書かれていても、金額の交渉まで含むとは限りません。

→ 離檀料の交渉について、確認すべき4つの質問

段階4 事業者を選び、見積もりを取る

掲載119社のうち53社が料金を公開していますが、その単位が「1㎡あたりの単価」「面積帯ごとの一式料金」「プラン一式」「運搬車両のサイズ別」と割れており、同じ基準で比較できません。当サイトが平均値を出していないのはこのためです。

また改葬許可申請の代理・代行は行政書士の独占業務ですが、在籍または提携を明記しているのは5社です。記載がないことは違法を意味しませんが、見積もりの際に「改葬許可申請書の作成は、どなたが行いますか」と確認しておくと体制が分かります。

→ 業者の選び方 / → 費用の調べ方 / → 掲載事業者の比較表

段階5 改葬許可を申請する ← 最もつまずく段階です

改葬許可は、いま遺骨が納められている墓地のある市区町村長に申請します。当編集部が47自治体を1件ずつ確認したところ、手数料を公式サイトに明記していたのは19自治体だけで、28自治体は金額の記載がありませんでした。郵送申請ができるのは26自治体です。

書類の名称も統一されておらず、「埋蔵証明書」「納骨証明書」「埋(収)蔵証明」などの表記が混在しています。

→ 47自治体の手続きデータ(手数料・郵送可否・必要書類)

→ 遠方の場合、郵送で申請できるかどうか

段階6 閉眼供養・魂抜き、撤去工事

撤去費用は条件で大きく変わります。ある事業者は増減する条件を6項目で公開しています。

  • 重機が使用できるか
  • 墓石の大きさと量
  • 外柵やブロック塀の有無
  • 基礎コンクリートまで撤去するか
  • 作業日数
  • 作業人数

重機が入らず人力作業が増えると費用は高くなります。見積もりの段階で、これらの条件が書面に明記されているかをご確認ください。

閉眼供養のお布施と撤去工事の価格が公開されている範囲は、20社の公開価格を調べた記事にまとめています。

段階7 新しい納骨先へ納骨する

受入証明書を必須としている自治体もあります(壱岐市は様式まで用意しています)。段階2で納骨先を先に決めておくと、この書類も早く揃います。

納骨先の選択で総額が最も動きます。同じ事業者の価格表の中で18倍の差があった例はこちらの記事で見ています。

補助金は期待しないでください

47自治体のうち、何らかの制度を確認できたのは6自治体だけです。しかもそのうち4自治体の制度は、公式表記が「返還金」「還付金」で、既に払った使用料の一部返還であり、撤去費用の助成ではありません。また6自治体すべてが市営・公園墓地の返還が条件で、寺院墓地・民営霊園は対象外です。

→ 改葬許可の必要書類を47自治体で比べた結果

→ 補助金について47自治体を調べた結果

よくある質問

墓じまいは何から始めればいいですか?

親族の同意を得ることと、遺骨の行き先を決めることが先です。事業者を先に決めると、納骨先の選択肢がその事業者の取り扱い範囲に狭まります。総額の大半を左右するのは納骨先なので、ここを先に決めてから見積もりを取ってください。

墓じまいの手続きで一番つまずくのはどこですか?

改葬許可の申請です。必要書類・手数料・郵送可否が自治体ごとに違い、当編集部が調べた47自治体のうち28自治体は手数料の金額を公式サイトに書いていませんでした。書類の名称も「埋蔵証明書」「納骨証明書」などと統一されていません。

全部でどれくらいの期間がかかりますか?

当サイトは期間の目安を示していません。親族の話し合い、お寺との調整、自治体の処理、工事の日程で大きく変わり、公開情報から一律の日数を出せないためです。各段階で必要な書類と条件を確認できるよう、実際のデータを並べています。