沖縄の墓じまい|改葬件数は人口比で全国3位。県内の石材系法人で「墓じまい」と書いていたのは2社だけだった

沖縄県の改葬件数は年間4,983件です。人口10万人あたりに直すと339.4件で全国3位にあたります(全国平均134.2件)。実数の順位ではなく、人口あたりの順位です。ところが、県内の石材系法人を全件調べたところ、公式サイトに「墓じまい」と書いている会社は2社しかありませんでした。人口あたりで見れば全国3位の需要がありながら、その言葉で自分の仕事を説明している地元の会社がほとんどいない、というのが調べた結果です。(2026-09-06調査)

那覇市だけで県全体の3分の1を占めています

厚生労働省「衛生行政報告例」令和5年度(2023年度)第4章第6表で市別の改葬件数を集計すると、那覇市は1,734件で7位です(この表に載る82市の中での順位)。沖縄県全体4,983件のうち、35%が那覇市に集中しています。

順位 市 改葬件数
1 長崎県長崎市 3,792件
2 愛知県名古屋市 3,171件
3 兵庫県神戸市 3,159件
4 神奈川県横浜市 2,363件
5 京都府京都市 2,261件
6 神奈川県川崎市 2,195件
7 沖縄県那覇市 1,734件

この表は都道府県-指定都市-中核市の再掲で、全1,741市区町村の順位ではありません。82市の中での順位です。

沖縄の石材系法人で「墓じまい」と書いていたのは2社だけでした

国税庁の法人番号公表サイトから沖縄県の全法人65,140件を取得し、社名に石材・墓石・霊園・納骨を含む法人46件を抽出して、1社ずつ公式サイトを確認しました。公式サイトを確認できたのは7件(15%)で、そのうち「墓じまい」「お墓じまい」「墓仕舞」「墓終い」のいずれかの記載があったのは2件でした。

項目 沖縄県 長崎県 山口県 和歌山県
県内の全法人 65,140件 42,713件 43,243件 31,607件
石材系として抽出 46件 72件 76件 24件
全法人1万件あたり 7.1件 16.9件 17.6件 7.6件
公式サイトを確認できた 7件(15%) 20件(28%) 21件(28%) 4件(17%)
墓じまいの記載を確認できた 2件 15件 11件 3件
サイトを持つ社のうち記載があった割合 29% 75% 52% 75%

石材系法人の数が少ないこと自体は、沖縄に固有ではありません。全法人1万件あたりで見ると沖縄7.1件・和歌山7.6件に対し、長崎16.9件・山口17.6件です。ただし当編集部が47都道府県すべてで同じ抽出を行ったところ、石材系法人の多さは墓じまいの需要では説明できませんでした(改葬件数との相関 +0.09。同じ分母のまま社名を墓石・霊園・納骨に限ると +0.31)。長崎は15位、山口は13位で、全国で見れば多いほうでもありません。詳しくは県内に墓じまいを扱う石材店は何社あるのかに書いています。

沖縄で他の3県と違うのは、公式サイトを持っている社のうち、墓じまいの記載があった割合です。長崎75%・和歌山75%・山口52%に対して、沖縄は29%でした。サイトを持っていても、その言葉を使っていないということです。

記載が無かった5件は、墓の仕事をしていないわけではありません。1件は会社概要に「墓石リフォーム(改修・補修・改葬)」「墓地の管理(改葬業務・お参り代行)」と書いており、行政の用語である「改葬」で同じ範囲の仕事を説明しています。別の1件はサービス内容に「墓地買取」と書いていますが、これが墓じまいと同じ内容を指すかどうかは、記載からは判断できませんでした。残る3件は、4つの表記が見つからなかったというだけです。

沖縄でお墓の整理を頼む相手を探すときは、「墓じまい」だけでなく「改葬」でも検索してください。「墓じまい」という言葉だけで探すと、地元の会社にたどり着けない可能性があります。調べ方と全社の一覧は県内に墓じまいを扱う石材店は何社あるのかにあります。

那覇市の改葬許可申請

改葬許可は、いま遺骨が納められている墓地のある市区町村長に申請します。那覇市は手数料無料で、郵送申請もできます。公式サイトの記載を1件ずつ確認した内容です(確認日 2026-08-24)。

窓口 那覇市役所(本庁または支所)
手数料 無料(「交付手数料 無料」と明記)
郵送申請 可(本庁のみ受付。返信用封筒と日中連絡の取れる電話番号が必要)
電子申請 記載なし
必要書類 改葬許可申請書/埋蔵・収蔵の証明/本人確認書類/委任状(代理申請の場合)
出典 那覇市 公式サイト

郵送申請は本庁のみの受付と明記。電話番号がない場合は改葬許可証が交付できない、または時間がかかると注意している。市内の戸籍で親族関係が確認できる場合は委任状不要。

補助金については、那覇市民共同墓のページを含め、墓じまいに関する補助・助成の記載を確認できず。制度が存在しないことの証明ではありません。申請前に必ず市へご確認ください。全国47自治体との比較は改葬許可の手数料を調べた記事にあります。

費用を決めるのは「どこまで更地にするか」です

墓じまいの費用は、墓石の大きさよりもどこまで壊して、どこまで元に戻すかで変わります。その基準を決めているのは墓地の管理者です。沖縄県内8市町の公営墓地について、返還と原状回復の規定を公式サイトと例規集で確認しました(確認日 2026-09-05)。原状回復の規定を公表していたのは3市でした。

市町 公営墓地 返還時の原状回復 出典
那覇市 那覇市識名霊園ほか(那覇市霊園条例) 直ちにその使用場所を原状に復し、市長に返還しなければならない(第23条) 出典
浦添市 浦添墓地公園ほか(浦添市墓園条例) 直ちにその使用場所の原状を回復し、市長に返還しなければならない(第24条) 出典
うるま市 うるま市霊園(うるま市霊園条例) 利用地が不要になったときは、利用者はこれを原状に復して返還しなければならない(第11条) 出典
宜野湾市 宜野湾市公営墓地(仮)※未供用 記載なし 出典
糸満市 確認できず 記載なし 出典
豊見城市 確認できず 記載なし 出典
沖縄市 確認できず 確認できず —
南風原町 確認できず 確認できず —

条文まで読むと、費用に直結する規定が3つありました

  • 那覇市には「更地にしなくてよい」場合があります。霊園条例第23条は原状回復のうえ返還を求めていますが、ただし書きで「市長が特に必要があると認めた場合は、使用場所の全部又は一部について現状のまま返還することができる」としています。解体して更地にするか、そのまま返せるかで費用は大きく変わります。見積もりを取る前に、市に確認する価値があります
  • 浦添市は、放置すると市が代わりに撤去して費用を請求します。墓園条例第24条第2項に「市長において原状を回復した上で、これに要した費用は、当該使用者に請求する」と明記されています
  • うるま市には使用料が半分戻る規定があります。霊園条例第9条のただし書きで「利用者が使用許可を受けた日から5年以内にその場所の全部を原状に復して返還したときは、既納の使用料の半額を還付する」としています

いずれも条例の条文です。実際の運用は窓口の判断によります。「記載なし」「確認できず」は規定が無いという意味ではありません。公式サイトで確認できなかった、という意味です。

調べた8市町のうち、公営墓地の返還規定を確認できたのは3市でした

今回確認できたのはこの8市町の範囲だけで、沖縄県全体の話ではありません。そのうえで、8市町中3市でしか供用中の公営墓地と返還規定を確認できませんでした。宜野湾市は公営墓地をこれから整備する段階で、公式サイトは「令和9年度 公営墓地供用開始(予定)」と書いています(区画墓地150区画、墓地ゾーン総面積7,021平方メートル)。

沖縄には門中墓や集落の共同墓地といった、自治体が管理していない墓地があります。そうした墓地の返還条件を当編集部は調べられていません。公営墓地でない場合、条件は管理者ごとに違います。着工前に「どこまで撤去して返すのか」を管理者に確認し、できれば書面に残しておくことをおすすめします。

沖縄に対応している事業者

掲載している119社のうち、沖縄を明記している事業者と、全国対応をうたう事業者を並べています。順序に意味はありません。すべて各社の公式サイトで確認した事実のみを記載しています。

沖縄を明記している事業者(2社)

事業者料金の公開行政書士の記載
天久石材非公開記載なし
琉球霊園一部公開記載なし

全国対応の事業者(14社)

事業者料金の公開行政書士の記載
お墓のミキワ公開記載なし
お墓の引越し&墓じまいくん公開言及あり(在籍か外部か不明)
やすだ行政書士事務所(墓じまい代行専門)公開在籍を明記
わたしたちの墓じまい公開記載なし
三好石材一部公開記載なし
墓じまいパートナーズ一部公開記載なし
墓じまい供養公開記載なし
安心墓じまい公開提携を明記
思いの架け橋 行政書士法人公開在籍を明記
森田石材店非公開記載なし
浦賀石材非公開記載なし
涙そうそう公開記載なし
美匠公開言及あり(在籍か外部か不明)
行政書士法人エベレスト(墓じまい代行)公開在籍を明記

掲載事業者を条件で絞り込む / 業者の選び方を読む / 費用の調べ方を読む

沖縄の墓じまい・よくある質問

沖縄で墓じまいを頼める石材店は何社ありますか?

公式サイトに「墓じまい」の記載を確認できた法人は2社です(2026-09-06時点、県内の石材系法人46件を判定した結果)。ただしこれは「その言葉で書いている会社の数」であって、頼める会社が2社しかないという意味ではありません。公式サイトを確認できなかった会社が39件あり、個人事業の石材店は法人番号公表サイトに載らないため母数に入っていません。

沖縄では何と呼ばれていますか?

確認できた範囲では「改葬」です。公式サイトを確認できた社のうち2社が「墓石リフォーム(改修・補修・改葬)」「墓地の管理(改葬業務)」「墓地買取」といった書き方をしていました。「改葬」は行政の用語でもあり、改葬許可申請という手続きの名前にも使われています。

那覇市の改葬許可の手数料はいくらですか?

無料(「交付手数料 無料」と明記)です。郵送申請もできます(可(本庁のみ受付。返信用封筒と日中連絡の取れる電話番号が必要))。出典は那覇市の公式サイトで、確認日は2026-08-24です。運用は変わることがあるため、申請前に窓口へご確認ください。

沖縄のお墓は本土と何が違いますか?

当編集部が確認できた事実として、掲載事業者の琉球霊園(南風原町)は「昔のお墓の場合、未火葬のご遺体が埋葬されていることもございます」として、改葬の際にまず現地調査を行うと明記しています。また掲載事業者の天久石材(那覇市)は、沖縄に多いコンクリート造の墓について、解体費用が上がる要因として鉄筋の分別と産業廃棄物の処分費、重機が入らない区画での手作業、隣接する墓を傷つけないための養生を挙げています。いずれも各社の公式サイトの記載です。

沖縄県の改葬件数が多いのはなぜですか?

理由は断定できません。沖縄県の改葬件数が年間4,983件、人口10万人あたり339.4件で全国3位であることは厚生労働省の統計で確認できますが、その背景を裏づける一次資料を当編集部はまだ確認できていません。裏が取れた時点で本文を更新します。

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